おはようございます。
ていらのです。
早見和真氏の『イノセント・デイズ』を読みました。
買っては積んでを繰り返す私ですが、
この本は買って即読みました。
読むのは通勤時間や昼休みが主なのですが、
やはり電車で数駅のところに住んでいるので、
即読んだとはいえ、買ってからだいぶ時間がかかったのは否めません。
そして、なぜこの本を手に取ったのかがどうしても思い出せない(笑)
おそらく今考えてるプロットが、
ヒロイン、もしくは物語でキーとなる女性の輪郭を描くことで織り成す、
そんな物語にしたいなという構想があったからだと思われます。
(自信がないw)
そういったお話の構想を練っている段階で、
この作品は、主人公が一人の女性を追いかけるお話なのです。
さて、『イノセント・デイズ』。
『火車』は物語が進んでいくとともに、
キーとなる女性の輪郭がはっきりと浮かび上がっていくその様が、
私は大好きなのですが、
こちらは逆に一人の女性について、内から外から様々な視点で語られます。
死刑判決をうけた一人の女性と、それにまつわる人々の物語です。
ここまで聞いておわかりでしょうが、明るく楽しいお話ではありません(笑)
アニメもそうなんですが、私はけっこう感情移入して作品を楽しむ方なので、
本作は本当に読んでいて辛かった。
「どうしてそうなっちまったんだよ……」
「どこで間違ってしまったんだろう……」
そんな風に思わずには読むことができない物語です。
新海誠監督の『秒速5センチメートル』も、
見た後に同じ気持ちになりましたね。
話の種類は全く違いますが。
Amazonのレビューにも「読んでいて辛い」系の感想が多いですが、
けっこうネタバレしているので、
『イノセント・デイズ』が気になった人は先に読んでしまうことをオススメします。
巻末の辻村深月氏の解説によると、本作が発表された当初から、
「暗い」「救いがない」等の書評が多かったらしいですが、
「そのような言葉では片づけられない何かがあるのではないか」
とも記しています。
確かに、私も途中までは「この作品に救いはないのかよ……」
と考えながら読んでいましたが、
読後には「救いがなかったとは言い切れない」という感想に変わりました。
本作を楽しめるかどうかは、物語のキーとなる死刑判決を受けた女性に、
どこまで想像力を働かせることができるかにかかっていると思います。
スッと読める文章なので、ほんとそこだけかと。
こればっかりは読んでみないとわからないと思うので、
『イノセント・デイズ』が気になった人は、
ブックオf……書店で手に取ってみることをオススメします。
私はブックオフで108円で買いました(しかも全額ポイント払いで……)
私は本作に関して、
「めっちゃおもろいで!オススメやで!」とは言えないです。
「面白かった?」と聞かれてもちょっと返答に窮するでしょう。
ただ、こうやってブログに感想を語りたくなるくらい、
心の中に熱量を発生させてくれた作品であることに違いはありません。
つまらない作品なら、そもそも記事にしませんから。
ちなみに、WOWOWで実写化されてますんで、
ドラマが好きな人はこっちをどうぞ。
私は見てませんが、Amazonのレビューを見る限り、
原作を忠実に映像化した模様。
個人的には、暗い気持ちになる物語でも、
やはりある程度のカタルシスは欲しいと思っているのですね。
そういう意味でいうと、『告白』は秀逸だったな、と。
物語の目的がはっきりしているので、非常に読みやすい。
内容はけっこう飛び道具てきなびっくり展開があるので、
そういうのが気になっちゃうと冷めてしまうかもしれませんが、
私は気にならなかったです。
なんか感想を書くつもりが、色々より道してしまいました。
詳解した作品の中に、読まれたかたに「ひっかかる」ものがあれば幸いです。