ていらのです。
少し前、泉水みちるさんという方が書いた「底辺声優の所感」というnoteの記事を見つけた。
これは、みちるさんが声優を辞めることを決めたときの気持ちを語ったもので、かなり反響があったようだ。
ググってみると、この記事を読んだ感想を記したブログエントリーがわんさか出てくる。それくらい、様々なことを考えさせられる内容で多くの人に読まれたということだろう。
皆さんも是非、読んでみて欲しい。
さて、ググって出てくる多くのブログエントリーに倣って、僕も思うところを書いていこうと思う。
ただ、「底辺声優の所感」を読んで業界の構造やみちるさんの決断に対して考察するものではなく、現在無職のアラフォーのオッサンがセンチメンタルに自分の過去を振り返る内容なので、興味のある人だけ、どうぞ。という感じで。
「底辺声優の所感」にとても共感した理由
過去のエントリーでも触れていますが、10代の頃は僕も一応、声優の志望者だったのです。また、みちるさんは社会人入試で大学への入学を目指しているのですが、この点も私と一緒。
そして、これ。
そして、もうWikipediaでいろんな声優を調べて「この人は〇歳でデビューしたから自分もまだ大丈夫だ」という確認作業をしなくてもいい。あの作業はなんだったんだろう。自分とその人たちは、生まれた年(社会情勢)も家庭環境も性格も所属事務所も得意な役柄も経験も能力もなにもかも違うのに、ただデビューした年齢や役をつかんだ年齢ばかりを気にしていた。
この部分は本当にわかる。自分の精神の安定を保つため、知り合った作家さんのデビュー作やら年齢やらを調べること、僕もよくやる。
ただ、これは僕が勝手に共感しているだけで、みちるさんと僕とでは決定的な違いがある。
僕は何も選んでこなかった
みちるさんと僕の違い。それは決断し、やり遂げたかどうかだ。
「底辺声優の所感」を読む限り、みちるさんはただ嘆くばかりではなく、なんとか声優として売れようと努力している。
そもそも、事務所に所属することが限りなく狭き門のはず。
僕の観測範囲内では、同じ養成所に通っていた同期で、声優事務所の所属まで行った人間は1人もいない。
対して、僕はどうだったか?
僕は声優よりも舞台やダンスに傾倒し、声優科の学校に通いながらも声優になろうとは思っていなかった。それはいい。
ただ、そこに決断はなかった。
なんとなく、だ。
思えば、声優科の学校を選んだのだって、どちらかと言えば上京してえが強かった。
2年間、声優科に通って、その後は小さな劇団の公演に、年に数回出たり出なかったり。
この間も舞台俳優と言えば聞こえはいいが、精力的に活動していたかと言えば疑問だ。
ただ、そんなのらりくらりの舞台活動でも思うところがあり、大学に行きてえと思うようになった。共演する役者さんとの交流で、俺には学が無さすぎると思うようになったんだ。
これも半分くらいは学歴コンプレックスなわけだが。
そして、半年間実家に帰って社会人入試のために英語と小論文を勉強したが、結果は不合格。身の丈に合わない有名私大を受験したことが仇となった。
また、僕が入りたかった大学の社会人入試はこの年で最後。他の大学に入ることも一瞬考えたが、燃え尽きてしまった僕の重い腰が上がることはなかった。
みちるさんは社会人入試での大学受験を志すも、25歳以上という受験資格を満たしていないことに気づき、即座に短大経由での3年次編入に切り替え、暇さえあれば学校に足を運んでいるという。
決断してこなかった僕にそれはできない
みちるさんは今、大学教員(研究者)を目指しているという。
でも、誰もが自由に夢をめざせる公平な社会の実現という目標。あらゆる差別や理不尽をなくしたい。学問でそれを解き明かしたい。この7年間が導いてくれた新たな道だ。
決断し、やれることをやってきた人間にのみ示される次の道を、果たしてみちるさんは見つけた。
みちるさんは底辺声優を経て学生となった。
僕はと言えばもう底辺ラノベ作家と名乗ることすら憚られるのが現状だ。
みちるさんは声優時代に、おそらく想像もできないような理不尽と戦ってきたのだろう。けれど、声優を辞めてもなお剣を収めないみちるさんの気概を見て、僕は強え……と呟かずにはいられなかった。
さて、僕は何をしようか?
「底辺声優の所感」はかなりバズったようで、いろんな人が感想を語っている。
中でも多いのが、いや、大学教員も声優並(もしくはそれ以上)の地獄でしょというようなものだ。
もちろん、みちるさんはそんなこと百も承知だろうし、大学教員なんてやめとけと言ってる人も事実を言っているだけだろう。
僕はと言えば、己の生き様を語っただけで話題になってしまうみちるさんの今後がただただ楽しみでワクワクしている。
僕は去年の11月に仕事を辞めて無職になった。
時間を持て余せば何かするだろうと思ったが、何もせず1年が過ぎた。
半年くらいで貯金が尽き、次の仕事を探すことになると思っていたのだが、安い物件に引っ越したのが功を奏したのか、1年が過ぎてしまった。
このタイミングでみちるさんの「底辺声優の所感」と出会ってしまい、僕はおぎおぎしている。
僕の周りにはコツコツとやるべきことをやり、目標に向かい、結果ダメでもきちんと次に向かって歩き出せる、そんな人が多くて困ります(笑)
僕にはそれができないから。
けれど、何かしなくては。
ああ、こういうときに限ってAmazonでPS5が買えてしまうなんて!
とにかく何かしよう。
そう思って、みちるさんに投げ銭するためだけにnoteアカウントを作った。